2010年7月26日月曜日

『壁との闘い、壁との対話 2 』〜よこはま開港150周年壁画(2009.8)


今回の壁画のように野外での制作となると、天気という「自然の条件」からも大きく影響を受けるだけでなく、想定外の「壁面の条件」を突きつけられることもあります。

全体の絵の配置を終え、一人ひとりが少しずつ下絵を描き始めて制作を終えた初日。しかし、翌日の制作2日目、朝現場に到着したスタッフは息を呑むような状況に遭遇せざるを得ませんでした。というのも、昨日描いたはずの絵がそこにはなく、何らかの原因で壁面の下半分に描かれた絵が流れて消えてしまっていたのです。
原因不明のまま、子どもたちは必死に流れてしまった絵をいったん乾いた雑巾でふき取り、再度絵を描き始めました。しかし、描けども描けども絵の具は滴るばかり、それどころか壁は拭いても拭いても水が滴り、びしょびしょです。


スタッフは原因をさぐるべく、指導中何度も話し合いを持ちました。そして壁画制作のための下地作業をしてくださった業者さんの助言もあり、なんとかその原因が判明しました。今回のアイススケートリンクの外壁面での制作では、スケートリンクの氷の冷気と外の空気の温度差によって、壁面に結露が発生し、その部分に描かれた絵に影響が出てしまいました。急遽、大型扇風機が運び込まれ(幸運にも建設関係の方の配慮により)、その部分を集中的に乾かし、その後快晴つづきという天候にも恵まれ、なんとか制作続行できました。制作途中は無事に完成することすら難しいとさえ思えたのですが、それらの困難をを乗り越えて壁画が完成した時は、やはり喜びはひとしおでした。この様に、壁の特性に悩まされた今回の壁画でしたが、やはりそれも壁画の醍醐味なのでしょう。
 


ICFAは会報や通信にて、制作の記録や参加した子どもたちの感想等を掲載し、壁画の完成だけでなく、制作現場や過程を紹介しています。今回の壁画制作の様子は、ICFA通信vol.17と特別制作された記念ポスターにて紹介しました。特に、記念ポスターは壁画の全体と細部が楽しめて、何度観ても新しい発見があります。



連日猛暑続きですが、皆様お近くにお越しの際は、ぜひ壁画をご覧になって、子どもたちのあふれるパワーを感じ取って、元気をもらっていただければ幸いです。




2010年7月19日月曜日

『壁との闘い、壁との対話 1 』 〜よこはま開港150周年壁画(2009.8)


 いよいよ梅雨が明け、夏本番となりました。
この暑さで思い出さずにはいられないのが、昨年夏に奮闘した「よこはま開港150周年記念壁画」の制作です!
ちょうど1年前の725日〜83日、小・中・高校生84名+指導者・スタッフ総勢約110名で、暑さと雨にも負けず巨大壁画を完成させました!!
 
 与えられた壁面の環境や状況=「壁の条件」が毎回違うということは、壁画制作の醍醐味であると同時に、最大の困難でもある言えます。そのため、実行前に「壁の条件」にどうやって対処するか、試行錯誤が繰り返されます。

  「よこはま開港150周年壁画」を初めて見られる方は、見上げるとあまりの高さに子ども達がどうやってあの高さまで描いたの??」と不思議に思われるかもしれません壁画の全体構成と周りの景色との調和のため壁面をフル活用し、4段もの足場を組んでの制作となりました。そして安全確保のため、子ども達はヘルメットと安全ベルトを着用し、絶対に悪ふざけをしないという硬い約束のもと、制作に励みました。これも「壁の条件」を克服するための策でした。そして、本当の意味での壁との闘いはここから始まるのでした‥(つづく)







2010年7月8日木曜日

ICFA通信Vol.17

ICFA通信Vol.176月に完成し、やっと会員の方はじめ関係者の皆様にお届け出来ました。無事届いているかな、どんな風に読んで頂いているかなと、スタッフ一同ドキドキしています。

今回のICFA通信は、若手メンバーで制作した初めての印刷物になります。過去の膨大なデータからの写真探しを行い、過去に発行された通信や会報を参考にして完成しました。

そこで、このブログを活用して、いままでのICFAの活動を会報や通信等で振り返る企画を行います♪過去を紐解いて、どんな発見があるか!?ワクワクします。
毎週定期的に更新していきますので、ICFAの今までを一緒に探索しましょう!