デモンストレーションで、ガラスの変化を見学したあとは、いよいよ2チームに分かれて制作体験に入りました!
チーム1は、吹きガラス体験に挑戦!
まずは、どんな作品を作りたいか、五十嵐さんとイゲタさんに相談です。
吹きガラスの完成作品のなかから、自分のイメージしている形や色の希望を伝えます。
イメージした色ガラスを準備して、いよいよ溶解炉よりガラスを巻き取ります。
800度で溶けて真っ赤に光っているガラスの中に竿(さお)をいれ、ゆっくり回転させます。
溶解炉の中はとてもまぶしく、また立っているだけでも熱がムンムンと伝わってくるので、素早い作業が求められます!
みんな、緊張しながらも上手にガラスを巻き取っていました!
竿(サオ)に巻き取ったガラスが熱いうちに、「溶解炉」の横に設置された分厚い金属のテーブル「マーバー」の上に、事前に選んでおいたフリット(色ガラスの粒)を巻き取っていきます。ガラスにガラスの粒を巻き取るのですが、例えるなら、小さなお菓子のつぶつぶを、水飴に巻き込んでいくような、感じでした。
フリットの粒を巻きとった後は、元々のガラスの下玉と温度が均一になるように、あぶり直します。
こうすることで、埋め込まれたガラスの粒が透明なガラスと一体化するのです。
そして、十分にガラスが熱くなったところで、作業をする「ベンチ」に座り、「紙リン」という水にひたした新聞紙を片手に持ち、ガラスの形を調整します。新聞紙と聞いて、熱くないかな!?と、一瞬心配しましたが、ちゃんと折り方まで決まっていて、分厚い布のように頑丈なので、まったく熱を通しませんでした!
五十嵐さんのリードで、「吹き竿」から息をいれて、ガラスをふくらませます。
みんなドキドキしながら、慎重に、時に大胆に息を吹き込んでいきます。
柔らかいガラスが重力で下に垂れてしまわないように、形が均等になるように、「吹き竿」を五十嵐さんが回転させてくれています。
十分に息が吹き込まれたところで、こんどは「はし」という鉄の道具でくくり、くびれを作ります。
これがのちに竿を取り替える(違う竿に移しかえる)時に重要となるのです!
作りたい形がなが細い場合は、重力を利用して、竿を下に向けてもっていることで、柔らかいガラスはどんどん下に伸びていきます。こんな風に、竿を持つのです!!!
そして、最後に「パドル」という木の板を押し当てて底になる部分を作り、下半分がイメージした形になったかどうかチェックします!
イメージどおりになっていれば、めでたく下半分が終了です。
下半分が出来上がったものをこんどはポンテ竿という穴のあいていない棒にガラスを少し巻き取ったものをつけ、
竿渡しをします。(竿を交換し、今度は上半分を作業するためです)
底にポンテ竿をつけたら、「ピンサー」という大きなピンセットのような道具を水につけ、先ほど作ったくくりめに水を垂らします。(こうすることで、ガラスのこの部分に大きな歪みを作るのです。)
水を垂らしたあとは、ピンサーで竿を”コツン!”とたたくとあら不思議!!、くくりめからガラスがパカっと割れて、ポンテ竿のほうに移りました。
今度は割れた口を火であぶり、やわらかく溶かしていきます。適度な柔らかさになったところで、今度は「はし」を口にいれ、徐々に広げていきます。
少しつづ口の形が変わり、自分のイメージした形に近づいたかどうかを判断します。無事にイメージしたものの形になったところで完成です。
完成後は徐冷炉という、電気炉の中にいれ、丸一日かけて常温までゆっくり冷まします。
明日の夕方に無事にみんなのつくったものができあがっているか、ドキドキです!!こうして、行程を書き出してみると、こんなにたくさんの作業があったのかと驚きます!でも、やっていると作業は一瞬なんですよ。
次回の記事では、エングレービング制作体験の様子をご報告いたします!