2010年9月3日金曜日

スタッフの力で実るICFAの活動 Part2

ICFAの活動に関わるスタッフの力を紹介するシリーズの第二弾は、制作現場をあらゆる面でサポートする制作補助スタッフを紹介します。

『制作補助スタッフ』

子どもたちの創造力溢れる制作と指導者の熱心な指導を支える為に、制作補助スタッフはペンキ混ぜ、水汲み、筆洗い、子どもたちの世話など制作の全般をサポートします。

普段はさまざまなお仕事をされている方々、児童の父兄、学生など幅広い方が制作補助スタッフとして参加し、力を発揮しています。彼らのバックグラウンドは様々ですが、うれしいことに、なかには数年前は児童として壁画制作に参加していた子どもが成長して、制作補助スタッフとして制作に参加してくれることもあります。

壁画指導者の数に対して、参加児童の数が大変多いので、指導者の目が一度に全員に行き届きません。そのため、制作指導者が必要と判断した子どもには、制作補助スタッフがついて制作をサポートする場合があります。子どもが制作をスムーズに出来るように、制作で使用する脚立を押さえたり、高所の絵を描くときにそばで見守るなどのサポートをおこないます。子どもの進行状況を見極め、コミュニケーションをとりながらおこなう大切な作業となります。



色作りのためのペンキ混ぜは、普通に聞くと「ただペンキを混ぜるだけでしょ?」と思われる方も多いと思います。しかし、子どもたちは制作が進むにつれて、どんどん色にこだわりがでてきて、「○○ちゃんの絵と同じ黄緑が欲しい!」とか、「もうちょっときれいな黄緑がいい!」など、注文が増えてきます。こうなると単純に緑のペンキに黄色のペンキを混ぜるという問題ではなく、かなり高いレベルが要求されてきます。そんなとき、スタッフは子どもの探している色を、子どもと同じく一生懸命に探し試行錯誤を重ねます。探していた色を得られた時の子どもたちの笑顔の中にはやる気が満ちあふれています。


 壁画制作では大量のペンキを使用するので、筆洗いやバケツ用の水汲み作業が必要となります。子どもが普段の感覚で水を使おうとすると、すぐに水が汚れてしまうので、水を大切に使い、公共の水場を汚さないためにも、大型バケツには網やビニールを張り、ペンキかすが水に混ざるのを食い止めるなどスタッフの経験から生まれたアイディアが活かされます。また、公共の場所を使っているという意識を子どもたちに持たせ、使用するトイレの床や壁には隅々まで養生をおこない、作業終了後は元より綺麗にするよう工夫をしています。子どもたちもルールを守ることや、他の子どもやスタッフを手伝う協調性を、自然に身につけて行きます。


制作補助スタッフは制作だけでなく、子どもたちの様子を指導者とは別の視点で見守っています。子どもたちは制作に夢中になるあまり、水分補給や休憩、ヘルメットの着用ルールなど制作以外の事を忘れてしまいがちです。そこで、スタッフは休憩のアナウンスを行い、集中力が途切れている様子の子どもには個別に声をかけて体調確認をするなど配慮します。怪我があっては、せっかくの壁画制作も意味がありません。いままでICFAは参加者に大きな怪我がなく壁画制作活動を続けてこられたのは、スタッフ全員が子どもの動きに気をつけると共に、広い視野で全体を見守る制作補助スタッフのお陰でしょう。

このように制作現場はたくさんの制作補助スタッフが、制作指導者と子どもたちが集中し、楽しくそして安全に制作ができるようにサポートしています。そして、彼らのサポートの原動力は、何よりも子どもたちの輝く瞳!と、何もなかった壁が子どもたちのエネルギーに満ち溢れる壁画に出来上がったときの達成感!!これに尽きるのです。